温熱療法・免疫療法
●温熱療法
温熱療法(おんねつりょうほう)
腫瘍組織が通常組織より温度調整機能が低いことを利用して、がん細胞を熱で死滅に追い込む療法です。保険は効きますが、治療が難しいうえにガンが熱に耐性を持ちやすく、治療の決定打とはなっていません。ただし、耐性は時間をおけば回復するので、長期的に継続して使用できるのが利点です。また、腫瘍に鉄分を集めて効果的にがん細胞を暖める実験なども行われており、将来には期待がもてる治療法です。言い換えると、今はまだ未知の可能性をはらんでいる治療法なのです。
●免疫療法
免疫療法(めんえきりょうほう)
患者さん本来の免疫力を高めてガンを殺そうという目的の治療法です。一般的な免疫療法は副作用が少ないと言われる一方で、その効果は次のような物に限られます。
○細菌性発癌やウィルス性発癌の予防および再発防止
○ごく小さな癌組織の縮小
○癌性腹水・胸水・腸閉塞・悪疫質症状等の改善
○化学療法や放射線療法の副作用の軽減
それもほとんどの場合、抗がん剤をしのぐような効果は認められていません。しかし免疫療法の成果の一部であるモノクローナル抗体は、一部の分子標的治療薬(抗がん剤)に使われています。
理論だけ聞くと免疫療法はがん治療の決定打になりそうに思えます。それを裏付けるかのように、細胞培養実験や動物実験でもそれなりの効果が上がっています。このことから、免疫にがん細胞を攻撃する作用があることは間違いないということは分かります。しかし一方で、がん細胞側にも免疫を妨害する機能が備わっていることが分かっています。人間の体の既知の部分はごく僅かであり、未知の部分が圧倒的に多く、人体の中で免疫を思い通りに機能させることは非常に難しいことです。
※悲しいことですが、免疫療法が未知の可能性を多く抱える療法であるがゆえに、免疫療法の名を騙って効果のない健康食品をさも凄い効果があるように見せかけて高額で販売する業者も少なくありません。免疫療法はまだ医学的に未知の領域の治療法だということを理解したうえで、そのような商品の購入を注意して検討しましょう。